忘れもしない、2021年12月17日。
代表のゆりこさん、講師のヤスタカさん、私で面談が行われた。
そこで、こう言われた。
「このままでは卒業できない―」
すごくショックだった。
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プロ講座に進んだ人の半数以上は、初級から一緒に学んでいる人達。
カメラを触ったことがない初心者の人もいれば、もともとカメラを勉強している人もいた。
私は後者で、大学時代からずっとスポーツ写真を撮り続けてきた。
プロ講座が進むにつれ、メンバーの写真はどんどん変わっていった。
私自身も講義→課題→レビューを通して、撮影に関する技術と知識は向上していたと思う。
しかし、どこかしっくりこない感じがあった。
自分らしさを表現していくみんなに対し、私は何を撮っても同じ写真。
そして、どこかで見たことのある写真しか撮れずにいた。
「なぜ同じ写真しか撮れないの…?」
レビューでメンバーの写真を見るたびに焦りを感じていた。
このままではいけないと思い、課題以外での撮影回数を増やし、色々なものを撮り、撮り方を変えた。
しかし「今回は撮れたかも」と思っても、PCで見返すといつもと同じ写真ばかりで愕然とした。
次第に「本当にこれでいいの…?」とモヤモヤが止まらなくなっていた。
そんな中、言われてしまった「このままでは卒業できない」。
ショックだったし、悔しすぎた。
一方で、妙に納得している自分もいた。
講師の2人は超多忙の中、面談までに「私に足りないこと」を必死に考えてくれていた。
面談当日も真摯に、根気よく私と向き合ってくれた。
そこで私は、私自身を変える大きな気づきを2人から得ることになる。
面談後、私は自分自身と向き合う時間を作り、これまで撮った写真、提出した写真を全て見返して、
「どうしてシャッターを切ったのか?」を振り返ることにした。
そこでハッと気づく。
きれいな正しい構図で撮ることに一番気が向いていたこと。
それがすごく苦しかったこと。
写真選びでは「構図が良くないからダメだ…」とバンバン切り捨てていたこと。
何より自分の心や思いを置き去りにしていたこと―。
「ゆりこさんとヤスタカさんが言っていたことはこういうことだったんだ…」と一人で大きく頷いた。
この日をきっかけに私の写真が大きく変わる。
12月末の最後の課題。この日の写真次第で卒業できるかが決まると言われていた。
しかしそれは一旦置いて、被写体としっかり向き合い、自分の心に素直にシャッターを切った。
…正直、違和感はあった。
なぜならこれまでずっと、大学時代から今に至るまで「きれいに撮ること」を大切にしていたから。
この日撮影した写真は、構図としては微妙なものもたくさんあったから。
でも、全ての写真にシャッターを切った意味があったし、私らしさがどういうことかを薄っすら掴み始めていた。
卒業がかかったレビューで「写真が変わり出している」というコメントをもらうことができた。
しかし、12月末の卒業には至らなかった。
卒業式では仲間たちが晴れやかな表情で、時には涙を見せながら、卒業を噛み締めていた。
それを見て落ち込む気持ちもあったけれど、あと少しで大切なことを掴めそうな感覚があったから。
1月から始まる補講には前向きな気持ちで進むことができた。
12月末に得た大きな気づきと薄っすら感じた私らしさ。それらがこれから進んでいく方向として合っているか。
1月の補講は私にとって答え合わせのような撮影・レビューとなった。
2回の課題では、心を大切に被写体と真剣に向き合って撮影できたし、私らしさを出せた感覚があった。
果たしてどうか―。
「めっちゃいい!これだよ!パワーが伝わってくる!!!」
レビューでのヤスタカさんの言葉が熱を帯びていた。
大きな気づきを得た私は、私の写真は、確実に変わっていた。
『物事との向き合い方や見る目が変わった結果、写真に変化が生まれた』という方が正しいかもしれない。
今まで十数年撮ってきたスポーツの見方さえも変わり、全く違う写真が撮れるようになっていた。
「心や被写体との向き合い方を変えるだけで、こんなに写真が変わるんだ…」と、私が一番驚いた。
フォトグラファーとして大切なことを、最後の最後に気づき、やっと掴むことができた。
そして、2022年1月20日。
ようやく『私らしい写真』にたどり着くことができた私は、卒業が決まった。
2021年7月5日の初級スタートから6か月と3週間が経った日だった。
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WISEクリエイターズスクールの校長・ゆりこさんはこんなことを言っている。
『一人一人の心を大切にして
一人一人の良いところを最大限まで伸ばし
自分にしか出来ない事を見つける手助けをする』
https://wise-creators.com/teachers/119/
その言葉に嘘はなく、スクールでは一人ひとりにしっかりと向き合ってくれた。
一人ひとりの良いところを理解してくれて、それをどうすれば伸ばせるか、どうすれば最大限に表現できるかを共に考えてくれた。
自分らしさ、自分にしか撮れない写真とは何かを見つける講義やお話をたくさんしてくれた。
※時に「こんなことまで言っちゃっていいの?!」と思うくらいざっくばらんに…(笑)。
一人ひとりに向き合うことで、もう一つ。
実はプロ講座期間中、身内に不幸があり、講座やレビューに出られない日があった。
その間も講師陣・サポートの皆さんは、私のために全力で寄り添い、向き合い、サポートしてくれた。
常に「私がどうありたいか」を大切にしてくれた。
正直、皆さんのサポート無しでは卒業まで頑張れなかったと思う。心から感謝したい。
最後に。オンラインスクールで本当に良かった。
もし通学型のスクールだったら、きっと都内で授業が行われていたと思う。
地方在住の私は参加することを諦めていただろうし、そもそも参加できなかった。
オンラインスクールだったから参加できたし、一歩踏み出してみようと思えた。
そして何より、全国に一生懸命で面白くて涙もろくてあたたかくて素敵な仲間ができた。
初級/中級講座では14名。
プロ講座では11名。
北は北海道、南は福岡まで。オンラインだったからこそ繋がることができた。
年齢も職業もバックグラウンドも全く違う仲間たちと共に学び、喜び、悩み、励まし、泣き、感激できたことは大きな財産になった。
超濃厚な時間を過ごすことができたのは、仲間たちのおかげ。本当にありがとう。
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もしあなたがプロ講座に進んだら。
仕事や家事との両立が大変で寝不足になることもあるでしょう。
自分に自信がなくなって途方に暮れることもあるでしょう。
何を撮ったらいいかわからなくて絶望することもあるでしょう。
編集で何時間もPCの前にいて眼精疲労や肩こりに悩まされることもあるでしょう。
超えられないと思うような壁にぶち当たって泣くこともあるでしょう。
コロナ禍で被写体探しが大変すぎて右往左往することもあるでしょう。
仲間の上達ぶりに焦ることもあるでしょう。
完璧を求めすぎて苦しくなることもあるでしょう。
でも、きっと大丈夫。
講師と仲間たちがあなたをしっかり支えてくれます。
たくさんのサポートを受けて、必死に向き合って、あなたらしさにたどり着くことができると思います。
そして何より、
『完璧じゃなくても、不器用でも、自分らしさは武器になる(by ゆりこ校長)』から。
気張らずまずは一歩。ぜひ踏み出してみて…!
Yui Tadokoro
フォトグラファーコース 第一期卒業生
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